京都迷鳩案内 16 嵯峨野 俳諧人 去来のお墓
2007年 03月 14日
向井去来のお墓
落柿舎(らくししゃ)近くの北側の裏
弘源寺墓苑内にひっそりと
わずか30cm位の石に“去来”と
陰刻され建っています。
歌人 高浜虚子は
凡そ天下に去来ほどの小さき墓に詣でけり
と歌っていますが、よくこの去来のお墓を表現していると思います。
向井去来は、俳諧師 松尾芭蕉の
門下十哲の一人で肥前国(長崎)出身の
俳人です。
慶安4年生れ(1651年) ー
宝永元年9月10日没(1704年10月8日)
なおこのお墓は遺髪を埋めたいわば別野だそうで、
本当のお墓は、左京区浄土寺真如町の哲学の道近く真正極楽寺(眞如堂)にあるそうです。
去来の歌
猪(ゐのしし)のねに行(ゆく)
かたや明(あけ)の月 去来 注釈1)
なき人の秋も野分のくづれ口 去来
千貫の劔うづむや苔の露 去来
弘源寺墓苑の去来のお墓東側に古井戸があります。
この小倉山麓に住まいを持っていた
西行法師がこの井戸の水を用いたの
で、ー西行井戸ーとして
残されているそうです。
誓興上人のお墓(左)と
涌蓮上人(右)のお墓
去来さんのお墓の隣に祀られています。
涌蓮上人(ゆうれんしょうにん)は江戸時代の僧で歌人であり、あられ・かきもちの原形をつくられた方で有名だそです
上人は嵯峨天龍寺に寄寓していたそうで、里人が寺におそなえしたお餅であられをつくり、山籠り修行に持って行き、また里人にも分け与えた高僧だそうです。
誓興上人は現在不明です、調べておきます。なお誓興の(興)は旧漢字です。
秋の野に咲く赤く可憐な彼岸花
彼岸花は別名曼珠沙華(マンジュシャゲ)
名ごとき、この嵯峨野の地にお似合いで
自生し、嵯峨野の霊の墓守をています。
学名 は Lycoris radiata だそうで、
Lycoris(リコリス)は、ギリシャ神話の
海の女神 「Lycoris」 の名前から
採ったもので、海の女神のように花がとても美しいことから命名されたそうです。
注釈1) 解釈
平安時代の恋は夜に女の元へと男が通い、明け方には帰ってゆく。
そのため、明け方は切ない別れを連想させる古き恋歌です。
古今東西 男女の仲は変わらないようです・・・・・・!!
by colombedor
| 2007-03-14 12:39
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