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Les Films            de la Colombe d'Or       白鳩が金の鳩に輝き大空を舞うように、映像を語る!  ーコロンブドールー      L'information&La note


by Colombedor

京都迷鳩案内 1 太  秦 「グランプリ広場」


京都迷鳩案内 ー すべてはここから・・・
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太  秦
     旧大映京都撮影所 「グランプリ広場」 現太秦市立中学校内

映画「羅生門」1950年 大映京都作品 1950年8月26日、全国大映系で公開

      51年 ヴェネチア国際映画祭でグランプリを獲得した時の金獅子像
             (51年イタリア映画記者全国連盟最優秀外国映画賞も受賞)
      52年 アカデミー賞最優秀外国映画賞した時のオスカー像
       

を受賞メモリアルとしてこのグランプリ広場は、京都の映画文化を後世に伝えるために、
サン・マルコ金獅子像とオスカー像のレプリカが飾られていました。

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   太秦の地は、かつて”日本のハリウッド”と呼ばれていた。・・・・

                  と記念碑は語り始めていました。

この撮影所のこの作品から敗戦後、精神的に荒廃した日本人を勇気づけ、世界に胸が張れるかのごとく自分自身を鼓舞し戦後の復興に多大な影響力を与えてくれたのでした。
また日本映画の国際進出の足がかりになった記念する作品でもありました。
つまりこの作品を機に外貨を稼ぎ、そして日本の高度成長へと導き、
現在のような裕福な生活環境が生まれたわけです。
それ故この地に立つと、京都の映像産業が今後良質な作品を創り、自動車産業だけに頼らず、外貨を映像産業により稼がなければならないと思い、映像産業の復興をこの記念碑を見て確信する次第でした。

 当時50年代の大映撮影所  見比べてください!
大映京撮プロジェクト  撮影所訪問 をクリックしてください。なお詳しい説明が見られます

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現在、大映撮影所は太秦市立中学校になっていて撮影所の面影はありませんでした。

以前、 「羅生門」黒澤組に当時セカンド助監督でついた、
大師 若杉光夫監督(現劇団民芸)から撮影当時のお話しをお伺いしたのが懐かしく、
この向こうに世界の撮影所があったと思うと感無量でした!
また「羅生門」編集は黒澤さんと若杉さんでやっていたとのことです。そして第二ステージでの火災により隣接していた編集室も火災にあい「羅生門」フイルムも被害にあいましたが、
運良く完成したと昨日のごときその様子をお話ししていただいたことが蘇り、名作の誕生は偶然という強運の守護の基で生まれたとこの金獅子像前で感銘しました。
 そして、50年8月に「羅生門」が完成披露されました。その後すぐにレッドパージにあい、
この正門の向かいにあった喫茶店に立てこもったそうです。
すでにこの喫茶店もなく、近所の人にお伺いしても知らないとの返事でした。
すでに50年代この撮影所近くに住んでいた人は今少ないとのことでした・・・残念。
 その一年後、51年 ヴェネチア国際映画祭でサン・マルコ金獅子像グランプリを獲得した
事は何たる奇異な話しなのでしょうか・・・。
黒澤さんも後に、東宝争議に巻き込まれ、映画芸術協会 に移りました。
この金獅子像は歴史的な社会パワーが秘められているのでしょうか・・・。

  なお若杉光夫監督は、後民芸に移籍してから
  民芸=日活作品で吉永小百合さんが女優開眼なされた
  「ガラスの中の少女」(1960)を演出なされた監督です。
  なおこの作品は東映で’88年に黒澤 明監督の
  師弟 出目昌伸監督 によりリメークされました。
   
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   京都文化博物館 3F映像ホールにあるヴェネチア国際映画祭でグランプリの賞状
     ここで黒澤監督の映画「素晴らしき日曜日」 久々に鑑賞できました。
     個人的に好きな黒澤さんの映画であり、
     自分自身の映画に対する思想を培ってくれた映画を
     映画発祥の地で観られたのは幸せ!!

参 考
「羅生門」と 製作秘話

映画「羅生門」のオープンセットは,大映京都撮影所の広場に建設され,間口十八間(約33メートル),奥行十二間(約22メートル),高さ十一間(約20メートル),柱には周囲四尺(約1.2メートル)の巨材18本を使用して造られました。正面に掲げられた扁額は,縦五尺(約1.5メートル)横九尺(約2.7メートル)あり,崩れかけた屋根の瓦は,4000枚を焼いて,延暦17年(798)という年号を彫り付けた、そうです。     (京都市観光の説明から)

「羅生門」(1950) goo映画

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本家本元  『新・京都迷宮案内』
 1月12日 明日 20時からTV朝日系でスタートします!!
     皆さん観て楽しんでください!!!
 『新・京都迷宮案内』 TV朝日 公式サイト

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次回は、大映通り の予定。
by colombedor | 2006-01-11 22:05 | 京都迷鳩案内